サワシリン細粒(アモキシシリン細粒)という薬が処方されたがどんな味?
子供が抗生剤を嫌がるけど飲ませ方は?
そんな悩みを解決します。
こんにちは薬剤師のまっちです。今回はサワシリン細粒について解説します。
Contents
サワシリン細粒はどんな味?

ペニシリン系抗生物質であるサワシリン細粒は甘いオレンジ味です。
最初は口の中にオレンジの香りが広がりますが、後から苦みが出てくるのですぐに飲み込むようにしましょう。
溶かして飲む場合も同様に苦みが出る前にすぐに飲むのがポイントです。
抗生剤のなかでは比較的飲みやすく、抵抗なく水で溶かして飲む子もいます。
他の飲み物との相性も良く、水での内服が難しい場合でも問題ないお薬です。次項で解説します。
サワシリン細粒の飲ませ方
①飲みやすくなるもので混ぜる
水で飲めるのが望ましいですが、サワシリンの香りや苦味を嫌がる場合は、飲みやすくなるものに混ぜちゃいましょう。
サワシリンが飲みやすくなるもの
- ジュース
- アイスクリーム
- ヨーグルト
- 服薬補助ゼリー
サワシリン細粒はオレンジ味なので、オレンジジュースは同系統の味で飲みやすいです。
完全に味を隠したい場合は、アイスクリーム、ヨーグルト、服薬補助ゼリーなどに粉薬を包み込むようにしてあげると飲んでくれる子もいます!
また、サワシリン細粒以外にシロップの薬が処方されている場合はシロップの薬に溶かして飲ませるのもオススメです。シロップ剤は甘いので簡単に抗生剤の苦味を隠せます。
ワンポイントアドバイス
サワシリン細粒と一緒に整腸剤が処方される場合もあります。処方医によってあらかじめ混ぜる場合と別々で処方する場合がありますが、別々で処方される場合は飲む直前に混ぜて一度に飲ませた方が飲みやすいです。
②食後ではなく食前に飲ませる
他の抗生剤と比べてサワシリンは一回に飲む量が多いお薬です。そのため味だけでなく量が多いことを嫌がり飲んでくれない場合もあります。
一般的に薬は食後に飲むというイメージがあるかと思いますが、サワシリン細粒は食前の服用でも問題ないです。私の勤務する薬局の近隣の小児科でも食前で処方される場合があります。
サワシリン細粒の添付文書にも、食前や食後などの指定はありません。
食事の影響を受けやすい薬には食前、食後などの服用タイミングの指定がありますがサワシリン細粒にはありません。
小児:アモキシシリン水和物として、通常1日20〜40mg(力価)/kgを3〜4回に分割経口投与する。
引用)サワシリン細粒10%添付文書
食事前のほうが薬を飲んでくれるようなら、受診したときに医師に相談してみてください。
③ジェネリックに変更して飲む量を半分にする
サワシリン細粒をジェネリックに変更することで、飲む薬の量が半分に出来る場合があります。
先ほども説明したようにサワシリン細粒は一回に飲む量が多いお薬ですが、それをジェネリックに変更することで飲む量が半分に減るとはどういうことか?解説していきます。
サワシリン細粒の正式名は「サワシリン細粒10%」です。この「10%」は「1g中に100㎎有効成分が入っている」という意味で、ジェネリックのなかには1g中に200㎎有効成分が入っているものが存在します。
- アモキシシリン細粒20%「TCK」200mg
- ワイドシリン細粒20%200mg
- アモキシシリン細粒20%「タツミ」200mg
上記のジェネリック製品はすべて「20%」となっており、サワシリン細粒10%を飲むよりも量が半分に減るお薬です。
毎日飲む子供にとってはかなりの負担軽減!取り扱っている薬局の場合は変更するのがおススメです。
ジェネリックとの比較
商品名 | 分類 | におい | 味 | 色 |
サワシリン細粒10% | 先発品 | 芳香がある | 甘い オレンジ味 | うすいだいだい色 |
パセトシン細粒10% | 先発品 | パイナップル | 甘味 | だいだい色 |
アモキシシリン細粒20%「TCK」 | 後発品 | - | 甘い 柑橘系 | 橙赤色 |
ワイドシリン細粒20% | 後発品 | 芳香 | 甘味 | 桃色 |
サワシリン細粒と同じく先発品のパセトシン細粒、そして飲む量が半分になる2つのジェネリック医薬品を比較しました。
アモキシシリン細粒「TCK」のにおいはあまり感じなくほんのり柑橘系の風味です。味は少し甘く、後からの苦味はあまり感じません。
比較するとサワシリン細粒のほうが味が濃く独特の香りがあります。おそらく製剤特有のにおいや味を隠すために、においや味を濃くして作られているのではないかと思います。その点、アモキシシリン細粒はサワシリン細粒のような独特の味やにおいが少ないので、飲みやすいと思います。
もっと詳しく!サワシリン細粒の副作用や効能・効果
サワシリン細粒の副作用
サワシリン細粒の副作用
発疹、かゆみ、発熱、下痢、軟便、吐き気、嘔吐、食欲不振、腹痛、味覚異常など
体に合わない場合はアレルギー症状として発疹やかゆみがでる場合があります。また、1番多い副作用は下痢です。
サワシリンの効能・効果
● 適応菌種
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球 菌、腸球菌属、淋菌、大腸菌、プロテウス・ミラビリ ス、インフルエンザ菌、ヘリコバクター・ピロリ、 梅毒トレポネーマ
● 適応症
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・ リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等 の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染、乳腺炎、骨 髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、 慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前 立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、 淋菌感染症、梅毒、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮 旁結合織炎、涙嚢炎、麦粒腫、中耳炎、歯周組織炎、 歯冠周囲炎、顎炎、猩紅熱、胃潰瘍・十二指腸潰瘍 におけるヘリコバクター・ピロリ感染症
皮膚や呼吸器、耳の感染などさまざまな感染症に使用できます。またヘリコバクターピロリ感染症に使われる貴重な抗生物質でもあります。
まとめ
サワシリン細粒の味と飲ませ方について解説しました。
この記事が薬を正しく適切に飲むための参考になれば幸いです。
参考・引用)サワシリン細粒10% 添付文書